ナイロン6のリサイクルへの超臨界水ルート

東レは本田技研工業と共同で、終末期の車両から回収されたガラス繊維強化ナイロン6部品の化学リサイクル技術を開発する契約を締結しました。

両社は、亜臨界水で解重合し、ナイロン6の原料モノマーであるカプロラクタムとして材料を再生することを伴うこの技術の検証を開始しました。

亜臨界水は、有機化合物を溶解および加水分解するために高温高圧状態で使用されます。

両社は、ナイロン6の解重合に成功する技術の開発において、高い透過性、溶解力、樹脂への加水分解効果などの亜臨界水特性に焦点を当てました。亜臨界水は触媒を含まず、添加剤はそれに影響を与えず、ナイロン6を短時間で解重合させて、高収率の生モノマーを生成することができます。モノマーを分離、精製、および再重合することにより、バージン材料のように機能するナイロン6を再生することが可能になる。

日本の環境省は、プラスチックやその他の資源のリサイクルシステムの検証を含む、脱炭素循環経済システムを確立するための3年間のプロジェクトにこの技術を採用しました。プロジェクトの一環として、東レとホンダは、年間500メートルトンの生樹脂の処理能力を備えたパイロット施設を設置し、検証テストを実施します。

この作業の最初のステップは、使用済みの自動車用プラスチック部品を同じ自動車材料にリサイクルすることです。両社は、エンジン吸気システム部品の原料として吸気マニホールドを採用することにより、解重合およびモノマー分離および精製技術を開発します。彼らは、2027年頃までに自動車用樹脂部品の化学物質をリサイクルするためにこれらの技術を適用することを目指しています。

将来的には、化学リサイクル技術の範囲を拡大して、アパレル、フィルム、およびその他の非自動車用途を製造する計画です。